旅の3日目の午前、マグエに行くバスの中、隊長の命令でN士は後部座席へ。
そこには(私的)あおい奨学生が8人ほどおとなしく座っている。
「おとなしい」のが一言でいうミャンマー人の性格。
「コミュニケーション、コミュニケーション!」隊長の指示が飛ぶ。
N士はそれなりに楽しそうに「指差しミャンマー語会話帳」で交流している。
午後は「オカダくん、行け!」と隊長。
見るとN士は前部座席で疲れた模様。
この後、N士は体調を崩したような。
N士は女子学生専門だったが、私は隣に座った男の子と話した。
名前はティン・リン・アウン君。今回奨学生に合格した学生である。
なんでもこの地域一番の成績らしい。
東海地区一番といった感じか。
会話は「英語」。
ミャンマー語で山だ川だ言っててもしょうがないかなと。
(あ、N士批判みたい。違うよ。)
彼は、聞くことは得意だが話すことがダメと言ってた。
読むことも得意なようだ。
たぶん、勉強も自習のようなものだから、他人と英語で「話す」機会なんてないんだろう。
彼の質問、「奥さんはいますか?」。
ひねって返してやろうかと思ったが普通に「ひとり」います、という程度にとどめた。
ミャンマーでの伝道被害は最小限にとどめようと。
そんな彼からプレゼントをもらった。
たぶん、例のパゴダで妖精から買ったのだろうか、絵葉書の綴りを私に見せて好きなものをプレゼントするという。
私は迷わず写真の葉書を指差した。
今回は訪れる予定のないパゴダの絵葉書。
彼はそれを取り出し、揺れるバスの中、名前を書いて私にくれた。
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