愛知県災害救助犬協会が10周年、ボランティア時代から数えてもう10年が経ったんだ。
愛知県災害救助犬協会は全ての捜索救助活動を無償で行っている。
行政からの援助は一切受けていない。
英語教室を経営するかたわら、救助犬の訓練の時間も割いて募金活動に明け暮れる10年間だったような印象だ。
そんな尊敬すべき夫婦、トーマス・ベレゾフスキと野口英美子さんの物語。
始まり、はじまり。
もう10年以上も前、トムから「Help」の電話が入った。
「ピピが死んだ。助けてくれ。」
ピピはトム家で飼っていたスピッツ。
飼っていたというより、家族だった。
トムとエミちゃんとケイトとピピの4人?家族だった。
そのピピが死んで残された家族は憔悴しきって、大変な状態だというのだ。
たしか「血便がでるくらい」といってたか、いや「血を吐くぐらい」だったか。
とにかくガイジンのオーバーなところを差し引いても、壊れた状態だった。
私にHelp?
「おまえはにぎやかで、いつもにこにこしてるから、一緒にいれば慰めになる」ということだった。
行ってみたら、血便と血ヘドの血の海状態!なわきゃないが、みんな元気がなかった。
私の効能があったかどうかの記憶は薄れたが、トムの言葉を覚えている。
「『飼い犬が死んだら、犬を飼え』という諺が(ポーランドには?)ある」と。
まだ躾られてない犬の世話で、犬を亡くした悲しみというか痛みを忘れられるというのだ。
ンこ、シッこの世話をしてると、悲しんでるどころじゃないといのだ。
ナルホド。理屈だ。
トム家は新しい犬を飼った。
それがゴールデンレトリバーの「チュウーイ」である。
(次号がいつかは知らないが、つづく)