「イフ」は1971年のブレッドの名曲。
1971年に全米で4位まで上がった。
私は当時学生でHERSというバンドをしていた。
ブレッドの曲はベースの磯上君が「Make It With You」(二人の架け橋・1970全米No1)を歌っていた。
その関係でブレッドのファンだったのだが、キーが高く、特に「イフ」はハードルが高いというか、オリジナルキーではまるで手の届かない曲だった。
10年程して、いとこの結婚式でこの「イフ」を弾き語りで歌うことになる。
当然の如くキーを下げて、オマケに引き易くするためにカポまで着けて。
ブレッドの曲は、ハイポジションと解放弦を組み合わせたバッキングのギターが特長で、「イフ」もそれが「イフ」である所以でもあった。
それを、キーを下げる、カポを着けるでは、良さのほとんどを消してしまっている。
当時もそんな思いで、後ろめたさすら感じて歌った記憶がある。
カラオケでこの曲を歌うときも、こそっと(悪い事でもするかのように)キーを半端なく下げて歌っていた。
ところが、数年前のある日、高音の出し方を知った。
今までの発声法の過ちに気付いた。
50代半ばにしてキーがだんだん上に広がって行ったのだ。
ある時、友人とのカラオケで「イフ」を原曲キーで歌ってみた。
聞くに堪えない散々な出来だったが、いけそうな感触が生まれた。
かなり嬉しい出来事だった。
その後、我慢して聞いてくれる友人とのカラオケでは、たびたび歌うようにしていた。
そして、それが数年して、今は聞くに堪える状態、自分なりに88点?になったのだ。
やっぱ、練習だなあ。慣れだなあ。歌えるようになるには。
柄にもなくそんな実感しみじみ。
さあ、あとはすっかり忘れてしまっているバッキングを練習して、92点(何それ?)を目指そう。
あの「ハイポジションと解放弦を組み合わせたバッキングのギター」を。