2010年07月20日

By The Time I Get To Phoenix(Glen Campbell/1967)

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「By The Time I Get To Phoenix」1967

作詞・作曲・Jimmy Web
歌・Glen Campbell




「She'll find the note I left hanging on her door.」
「さよならと書いた手紙テーブルの上に置いたよ。」

ふーん。こんなんありかあ。

Gm7−C7−F−Dm7
コード進行がそっくりなので、「ひょっとしたら歌詞も」と思って英語を訳したら、なんだい、世に言うパクリっちゅうやつだ。
そう思うと、「さらば恋人」というタイトルのネーミングもチープに見えてくる。
モト歌の「By The Time I Get To Phoenix」に比べて、なんと垢抜けてないことか。
「By The Time 〜」も邦題は「恋はフェニックス」だった。なんだかねえ。
さすがに気がひけたのか、サビは少しひねってある。

「さらば恋人」1971、作詞・北山修、作曲・筒美京平、歌・堺正章
ふーん。奴等の仕業か。
絶望でも失望でもない。軽蔑でもない。
逆に、音楽業界に対する自信みたいな感情が湧いてきて、それ以降の私の音楽生活の大きなモチベーションとなっている。

1968年にヒット・チャート3位まで上がった同じくJimmy Web/Glen Campbellの「Wichita Line Man」は、加藤和彦の手によって、「僕のおもちゃ箱」に変身した。
ただこれは曲のつかみの部分で、歌詞は「ウィチタの電線工事人」が「おもちゃ箱」となんの関連も無いが。

「By The Time I Get To Phoenix」は当時弱冠20歳の私がボーカルをしていたHersというバンドのオハコの曲だった。
ベースの磯上君が私に歌えとドーナツ盤を持ってきた。
磯上君の選曲のパターンのひとつにベースのかっこよさがある。
つまりは、彼の自己顕示欲。

この「恋フェニ」も歌に入って最初の<Gm7−C7−F−Dm7>を2回繰り返す8小節の間、ずっとベースは<C>をたたいてる。
シンプルにして粋。
指づかいの速さとリズム感に自信のある磯上君ならではの、余裕の選曲だった。

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この記事へのコメント
>作詞・北山修、作曲・筒美京平
>ふーん。奴等の仕業か。

筒美京平のように量産する姿勢を
私はむしろ尊敬していました。(今も)
パクって広めるのも偉い人です。
狭い日本でも(=それは今、置かれているわが身を振り返ると、狭い岡崎でもと読み替えてもいい)
売れりゃ勝ち。評価されたってこと。

パクりかたによっては後々大変なことになるので
怖いですね。

パクリがどうこうとは別のことですが、
情けないほど脱力できる歌謡曲でさえ
(例 E気持ち 歌:沖田浩之 作詞:阿木燿子)
依頼があれば仕事ですからね。
阿木さんも引き受けるなよって当時思った。
Posted by ロイド at 2010年07月20日 12:25
どちらの歌もよく知ってますが、こう繋がるとは思ってもみませんでした。そう思って聞けば、そうですねぇ。

そういえば、ドリカムの「晴れたらいいね」は、バカラックの名曲、the Raindrops keep falling on my Headの、、ぱくりと言うより返歌といっても良いできでしたね。って、黛敏郎が題名のない音楽会で取り上げてたのを思い出しました。
Posted by マイタイ at 2010年07月20日 18:36
パクリのレッテルはキツイですが、ネタ探しが主たる創作活動のクリエイターってかなりいます。だいたい自覚症状がないですね。
Posted by 伝道非伝道 at 2010年07月20日 20:21