
「城南ロータリーのAO山さんがお見えです」
と、私にアナウンスがあった。
「あ、例の用件だ」と、ピンと来た。
もう5年も前か、AO山さんにギターを貸したのだ。
それを「返すよ、いい?」と聞いていたのが数日前。
それを返しに来たのに違いない。
そもそも、なぜAO山さんが私のギターを持ってるか。
数年前ロータリーの例会で、急造バンドで演奏することとなった。
まず私が独りで、ピアノで「イマジン」弾き語り。
次にAO山さんのギターが加わって、「ヘイジュード」。
ドラムが入って、「ダイアナ」みたいな。
ベースが入って、最後は「釜山港に帰れ」にまで行っちまった。
そのリハーサル。
AO山さんが借り物のギター、ギブソン・レスポール(のとんでもなく高価なやつ)を弾いたところ、どうにも弾きにくそう。
「オカダさん、弾きやすいギター持ってない」
「弾きやすい? モズライトなら持ってるけど。でも置いてあるのは会社」
ということで、会場のニューグランドホテルからブラザー印刷まで取りに行った。
で、「おっ、これは弾きやすい」ということで、本番を迎えた。
そんなわけで、我がモズライトはそのまま持って帰ったAO山さんの手元にあったのだ。
この数年間、7年くらいか。