2021年09月15日

いのちを繋ぐもの

IMG_10769月12日日曜日の夕方のこと。

”ご無沙汰しています。
長らくお借りしてましたマイク、お返し致します。
お留守の様ですので、玄関先に置かせていただきました。
長らくありがとうございました。”
と、メッセージ。

小雨のお出かけから帰った夕方、玄関先で受け取った。

マイクとはTくんに貸していたもの。
昨年の4月末の土曜日、山田さんから何年ぶりかの電話が入った。
「T雄がリモート勤務になったけど、マイクがないので貸してください」
私なら余分なマイクを持っている、そう思ったのだろう。

山田さんは当社ブラザー印刷の常務を勤められ、10年前に退職された方。
T雄さんは、自慢のムスコさん。

その夕方、T雄くんと奥さんが、自宅にマイクを受け取りに来た。
それが、昨年2020年4月25日土曜日のこと。

山田さんは、そのひと月後の5月29日に亡くなられた。
あの電話が「最後の声」だった。
着信履歴は、しばらくの間私のケータイに残った。

そして1年半が経ち、マイクは返って来た。
玄関先には、マイクの入った紙袋と日本酒の一升瓶。

T雄くんからのメッセージ。
「、、、好みがわからなかったので、(お礼に)父の好きだった八海山にさせていただきました」

「私も好きですよ」
「良かったです」

2020/5/29 山田さん逝去(80歳)早いよね。
その1年後、
2021/6/26 母美代子逝去(92歳)

2018/2/18 弟起佳逝去(65歳)早過ぎるよね。
順番違うし。


色々あったよなあ。
慌ただしい日々だった。

弟も母も山田さんも、一生のほとんどをブラザー印刷と共にした人生。
私も、50年近いブラザー印刷との人生を卒業しようとしている。

早速、いただいた清酒八海山を冷やでいただきながら、そんなことなどを思い返している。

弟も山田さんも母も、今ここに居るようだ。

亡くなったことで、近づくものもある。
亡くなったことで、繋がることもある。



山田さんを亡くした時のことは、改めてしっかり書き記しておこうと思っている。
その時のことは、当時多くの人に話したのだが、ブログにははっきりとは書いていない。

公の場に書くのは迷うところではあるが、何かの機会に書き記し、書き残さねばと思っている。