岡崎商工会議所建設部会例会の講演会は、
「TPPが中小企業に何をもたらすのか?」
〜様々な影響とその対応について〜
講師は、大妻女子大学社会情報学部田代洋一教授。
専門は農業で建設業には疎いから、演題を「建設業に何をもたらすのか?」から「中小企業に何をもたらすのか?」に変えてもらったと言われた。
そう言えば、(建設部会なのに)出席の動員がかかった案内には「建設業に〜」となっていたよな?
演題を変えさせるとは、誠実な講師さん。さすが学者さん。
功罪が心配されるTPPだが、どちらとでるかは講師は「わからない」とまず冒頭に結論。
研究者さんらしい、これも誠実な発言だ。
評論家さんや政治家なら、「功」か「罪」かを決めつけて発言するのだろう。
ただ研究者さんらしく、われわれが判断するための情報や考え方を正確に提供してくれる。
気持ちのよい講演会だ。
で、そのTPPについてだが、
・市場開放を目指す協定なので、内需型会社は大危機。
・日本のT自動車を始めとする大手の外需型会社は歓迎。
・国内規制やサービス紛争解決が、国内の手を離れ外国の裁判(ISDS)で決められる。
・アベノミクスによる大型公共投資などの政府調達案件に外国企業の参入。これも日米政府間のお約束か。
・日本には農業、アメリカには自動車産業という守るべき業界があり、それをどう受け入れるかが日米の切り札だったのだが、日本は相手の切り札をいとも簡単に受け入れてしまい、農業のカードは使えるのか。
・TPPは環太平洋連携協定なのだが、かたや中国主導の東アジア共同体との綱引きがあり、これもTPP成否の大要因。
なんにしても、中身をみせない異常な秘密主義のTPP、自民党議員も中身が分からぬと政府に詰め寄るぐらい。
だが、情報を隠せば隠すほどそれもまた漏れ伝わるもの、とは田代講師の言葉、さすが社会情報学部教授。
その講師が収集しフィルターをかけた話は、とても為になる話だったよ。うん。