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一に曰く。
和をなによりも大切なものとし、いさかいをおこさぬことを根本としなさい。
人はグループをつくりたがり、悟りきった人格者は少ない。
それだから、君主や父親のいうことにしたがわなかったり、近隣の人たちともうまくいかない。
しかし上の者も下の者も協調・親睦の気持ちをもって論議するなら、おのずからものごとの道理にかない、どんなことも成就するものだ。
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これは、聖徳太子制定の「一七条の憲法」(西暦604年)の第1条の現代語訳である。
憲法記念日にちなんで、載せてみた。
今年の憲法記念日は、マスコミ等で憲法論議があまりされなかったような気がする。
安倍総理があまりに憲法改正を急くものだから、却ってマスコミはこれを避けたか? なんて。
だからじゃないけど、「一七条の憲法」を取り上げてみた。
この第1条の「和による処世」は、なかなかのものである。
有限な世界の中で、他との折り合いをつけて生きて行けと教えている。
のちに江戸時代、鎖国をし限られた世界での治世を、徳川家康は和により成し遂げた。
今や、グローバル化。ボーダレス化。
あらゆる価値観、対立する価値観が、地球という有限閉鎖空間の中に入り乱れている。
その中でシェア争いや収奪、権力闘争が繰り広げられている。
ヘンテコな国も出て来た。
だが、圧倒的な力を持つ国も、もはやいない。
ここに来て必要なのは、やはり「和による処世」ではないのかと、改めて思う。
江戸時代よりも、その和のパワーは必要なのであろう。
ポール・ハリスが「奉仕と親睦」を掲げてからも、もう110年もかかっているしね。
新憲法にはこの「以和為貴・和を以って貴しとなす」を是非採用してもらおう。