3/28付シアトル・タイムズ紙に掲載されたディー・ゴードン選手の全面広告。
記憶にとどめたくて、丸パクリだけど全面転載。
親愛なるイチローへ
まず最初に。私の素晴らしい友達で、今でも一番好きな選手でいてくれてありがとう。
私が野球を始める前、「自分みたいに痩せた選手がいるんだ。だったら自分も出来るはず!」と思いながら、あなたを見ていたことを覚えています。あなたは、私が野球を始めるきっかけを作ってくれました。
あなたは、エイボン・パーク(米フロリダ州、ゴードン選手の出身地)に住む少年のアイドルでした。野球のテレビゲームの選手に、あなたにちなんだ名前をつけたこともありました。
(16歳だった)2004年、ヒューストンで開催された球宴で初めてあなたと会いました。午後3時ごろ、父とグラウンドに出たら、あなたはすでにウォームアップをしていましたね。球宴なのにですよ!? そんな選手、あなた以外にいませんでした。
パワーヒッター全盛期のなか、あなたは自身の信念、そしてなにより、あなたを作り上げた文化に忠実でした。他の選手より、身体が小さくても、なんだって出来る! あなたは、そう教えてくれました。
そして2012年。ドジャース(ゴードン選手が過去に所属)がシアトルに遠征したときのこと。私は遊撃のポジションから、あなたの動きをずっと見ていました。あなたの通算安打の積み上げにも貢献しましたよね。あなたに夢中になって守備に集中できなかったのです(ドジャースのみなさん、ごめんなさい。でもイチローだもん。わかるよね?)。
翌日、あなたはヤンキースに移籍してしまいました。ショックでした。でも2015年、私がマーリンズに加入すると、数日後、あなたもやってきたのです!
興奮しました。「イチローと一緒に野球ができるなんて、マジかよ? 俺が?」と。あなたに会いたくて、ジュピター(フロリダ州、マーリンズの春季キャンプ地)に予定より早く向かいました。あなたにドキドキしながらあいさつすると、「君の助けになるよ」と言ってくれましたよね。うれしかったです。「オレは“イチ”と一緒にプレーしたんだぜ! エイボン・パーク出身のオレがだよ??」。私の自慢です。
この5年、あなたの存在が私にとってどれだけ大きかったのか、みんな分かっていません。イチ。これまで、私の人生にはうれしいこと悲しいこと……いろいろなことがありました。でも、あなたの友情はまったく揺らがなかった。いつだって私のそばにいてくれた。私が不当な扱いを受けたときだってね。
あなたへお礼を伝えるのに、ツイッターやインスタグラムは適していないと思いました。だから、わたしはこういう形(新聞広告)であなたへの気持ちを表現しました。あなたの友情、教えがなかったら、そしてあなたが“秘密”を教えてくれなかったら(誰にも言わないよ)、いまのディー・ゴードンは存在しません。
愛しているよ、ブラザー! あなたはいつまでも、私の人生の一部です。これからもオフの日は、私と一緒に打撃練習をしてくださいね。それが出来なくなることは、さびしいから。あなたを頼ることが出来なくなることも。
あなたのブラザー
ディー・ゴードン
(井上翔太訳)
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