歩き始めは足取りも軽やかに、I塚くんがまず先行、Y則くんがそれに続く。私はその後をマイペースで。
目標は3つ目の小屋、この辺では最高地点だ。
I塚君は、目標にたどり着けず。
Y則君は、何とかたどり着いて、私を待ち構えていた。
目標の小屋あたりに売店があった。
Y則君はいつもの「なんか買いたい」モードだ。
「ビール飲もうか?」
私に聞くかい?
持って来た血圧の薬をなくしてしまって、無制御状態に突入してるというのに。
「2つ買う?」
「1つでいいよ」と、私。
命を賭けて飲もうというのか。
「岡田さん、飲む?」
飲みかけを私に勧める。
私は、彼の命を助けると思って、飲んだ。
「うまい!」
マイナス5度くらいの気温なのだろうが、歩いて体は熱くなっていた。
マスクも、吐息が冷えてビショビショ。
火照った体に、冷たいビールが美味かった。
さあ、今から下り。
膝が笑う。