
September 1964
「A House Of The Rising Sun」
The Animals
ビートルズが途絶えても、もはや一大勢力となった英国勢ブリティッシュ・バンド。
このアニマルズの「A House Of The Rising Sun(朝日の当たる家)」は鮮明に覚えているよ。
聴いた時の衝撃とともにね。
中学三年生の私は「こんな曲が演りたい」と、私なりにコピーし、演奏し、多重録音して曲に仕上げたのを覚えている。
その多重録音と言っても、マイクとスピーカ付きのテープレコーダ2台で、ピンポン録音したもの。
それもライン録りじゃなくて、マイク録り。
録音したテープを再生しつつ、次のパートの演奏しつつ、マイク録りでもうひとつのテープレコーダに録音。
それをパートの数だけ繰り返す。
マルチレコーダなんてありゃしない。
それは、20年後の世界。
演奏の方もひどいものだった。
まず、コードのコピーがひどい。
「A House Of The Rising Sun」全編を流れる印象的なギター・アルペジオの正しいコード進行は、
Am/C/D/F、Am/C/E/E
だけど私は、「D」のところを「Dm」とコピーしていた。
なんか違うなって気がしたけど、当時の岡田少年には「Am」の曲に「D」が現れるなんて思いもよらなかった。
音楽の授業じゃ習わなかった。
つぎに、ギター演奏。
隆おじちゃんからもらったスチール弦の生ギター、ピックは下敷きを削って作ったもの。
とてもこのアルペジオを弾けたもんじゃない。腕もあるけど。
そして、オルガン。
妹のオルガンを弾いたのだけど、この曲の売りはリーダー、アラン・プライスのオルガン・プレイ、私の演奏は似ても似つかぬもの。
それでも、オルガンの響きに感激した。
最後に歌。
エリック・バードンの声はキーが高い。
歌中に、ハイAが出てくる。
とても私にゃ歌えないので、キーを下げる。
ギターもオルガンも移調して演奏しなきゃならない。
あのアルペジオの良さも消えるし、弾きにくい。
ボーカルの迫力も消える。
それでも何とか多重録音を終え、聞いてみた時の感激・満足感。
下手だけでなく、なんか不思議なところの多い曲に仕上がったが、それでいいのだ。
今もそのテープはどこかにあるはず。
探し出したら、披露しよう。
長文になってしまったけど、この発見が回想ブログの目的でね。
72歳の私のタイムマシーンの着地点、リスタート元年はどうやらこの頃らしいと明らかになって来た。